「女性文末詞」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
日本語は英語など他の国の母国語よりもかなり複雑な言語であることはよく知られていますが、その中でも外国人から理解がしづらいものの一つとしてこの「女性文末詞」が挙げられるのだそうです。
もう少し柔らかく言い直すと、女性らしい言葉遣いとされている「~だわ」「~よ」といったような特別な口調のことをいいます。
言われてみれば私達は普段女性であってもいちいち言葉の後ろに「~わよ」といった言い方をすることはありませんが、なぜかそれをすると女性らしくなるということは知っています。
こういうのもちょっとおかしいですが、私達のような若い世代の場合そうした言葉遣いを知っているきっかけは、いわゆるオネエキャラのような男性が女性らしい姿をしようとするときのような気がします。
そのように考えると、本来使うはずであった女性がそれらの言葉を使わなくなっている一方で、女性に近づこうとする男性が女性らしい言葉を使っているという不思議な逆転現象が起きていることになります。
ただ日本語を含み言語というのは常に変化をしていくものであるので、その言葉を使わなくなったことそれ自体が大きな問題というわけではありません。
「女性なんだからそういうふうに言わなくてはいけない」というような決め付けはジェンダーの観点からも問題が大きいので、今後逆流して使われるようになるという可能性は低そうです。
個人的には女性同士で「うるせー」「てめー」というような言葉遣いをしているのを見るとちょっとかなというように思いますが、かといっていちいち女性文末詞を使われるとそれはそれで居心地が悪いような感じになります。
なお日本語に関する調査をしたものを見てみると、女性文末詞を使用している割合が最も高いのは年配の50歳以上の世代であり、年齢が低くなるほど少なくなる傾向があることがわかっているといいます。
問題は今後日本語を勉強する外国人がこの女性文末詞を勉強するべきであるかどうかということです。
女性の場合はすでに使わなくなっている言葉ではありますが、全く使われなくなっているわけではなくテレビなどメディアでは比較的多く登場してきています。
もしかしたら今後は女性文末詞は日本人ではなく、外国から日本語を勉強する人が中心となって使い続けられていく言葉になっていくのかもしれませんね。
そう考えるととても不思議な感じがします。